多氣 史隆  

 

中国ビジネス指南第二集

似ているから間違う中国ビジネスの側面

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2005年1月第二集スタート

 

「従業員の定着率はどうですか?」


Vol.34

バックナンバー

24.「文化の違い」

25.中国のボーナス事情

26.中国の戸籍制度(1)

27.中国の戸籍制度(2)

28.「档案(ダンアン)」とは

29.最近の日中間の摩擦に思うこと

30.工会(労働組合)設立勧誘とビジネス交渉能力

31.中国でリベートを無くす名案はありますか?

32.「上海に台風が来た!」

33.「中国工場資材購入の教訓」

34.「従業員の定着率はどうですか?」

35.「中国工場ドロボー事件」

第三集バックナンバー

第二集バックナンバー

第一集バックナンバー

 

筆者プロフィール

講師プロフィール


 

講演会や会社訪問を受けた際、「中国では従業員は簡単に会社を変わると聞いていますが多氣さんの会社の定着率はどうですか?」と、必ずと言っていいほど質問をうける。
日本では「中国人は会社をすぐにやめる」との宣伝が行き渡っているようです。
確かに日本と比べるとその傾向は強い(ある人材会社の調査では一般従業員の平均的な退社率は14%、幹部社員は18%)ですが当社の場合さほど日本と変わらない。
とりわけ職場は冷暖房なし、アルミの溶解炉があるので夏は50度近い。 仕上げ工程はアルミの削り粉が舞い散るのでマスクとメガネをかけて作業しなければならない。 いわゆる代表的な3Kの仕事で決して歓迎される職場ではない。
一方、給料は周りの外資企業とほぼ横にらみのレベルで決して高くはありません。
にもかかわらず現在、従業員は365名でこの1年間の自主退社者は39名。 定着率(100人当たりの1年間の退職者)は90%弱となっている。 従業員の約80%は外地人(上海以外の江蘇省、安徽省、浙江省などの地域から出稼ぎに来ている農民)で、結婚や両親の病気などやむなく田舎に戻らねばならないケースなどを考えあわせると定着率は高いのではなかろうか。 まして、22名いる幹部社員(班長以上)となると操業開始以来この4年間で辞めたのは1名のみ。 彼は同業の台湾企業からのヘッドハンティングで、「工場長で給料は当社の倍」という好条件、年齢が52歳で当社では工場長の目がないこともあり最後の花を咲かせたいとの本人の希望を受け入れ円満退社したもの。 
そのようなわけで熟練性が要求される職場なので定着率は大切だが幸いあまり苦労はしていない。
定着率向上に役立っていると思われる項目を思いつくままに下記します。

1.シャワー施設の完備:退社の時はピカピカになって颯爽と帰っていきます。
2.社員旅行:1年に一回。今年は夏の停電休みを利用して2泊3日、全員で温州。
3.忘年会:春節前の休日前日に全員参加。 くじ引きで全員に賞品。
4.日本本社への研修:1年間組と3ヶ月の短期組に分け年間約20名
           幹部は年間5名 一週間程度の日本出張
5.各種の研修:中国人は研修好き。日本語教室は約100名(週2回6時間)
6.運動会:年一回。将棋大会、五目並べ、綱引きなどの小スポーツを社内で。
      (中国人は博打好き、社内仲間で給料を全部負けたりするのを防止)
7.標準数量(ノルマ)の設定と評価制度:年間を通じて20名程度を表彰
8.小さなプレゼント:夏は石鹸やタオル。女性の日(3月8日)に50元程度の小物。     
9. 小さな楽しみ:2年に一回程度。子供づれで上海市内観光。(主に外地人)
10.その他:工場立地が上海市。 外地人にとって上海は憧れの都会。
なお、退社は春節の1月末から2月上旬と労働節の5月がとび抜けて多い。
ボーナスをもらい春節休みに田舎に戻り久しぶりに同窓生などと一杯飲む。 誰々がどこでいくらの給料をもらっていると言うのが一番の話題で情報が飛び交う。
今年も人事部長が「春節をはさんで9名が辞めたので、早速補充採用をします」と地域の労働局の職業斡旋所に出かけて行った。 この時期が優秀な作業員の採用のチャンスと考えている。


 

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