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(3)コミュニケーション能力は総経理の必須条件
社会生活において「上に弱い」のは世界共通、当たり前のことではあるが中国人はこの傾向が特に強い。 従って「お上」(お役所)に権利が集中し、企業にあっては総経に権限が集中する。 日本では部長や課長が中心になり案件を練り上げ社長に提出すれば方針がおおきく変わることは少ない。 一方中国では総経理が一言「NO!」と言えばそれで全て終り。 そこで従業員全員が総経理の一挙一動に気を配り顔色を伺うこととなる。 このため総経理の適不適が中国進出企業の業績を大きく左右する。
総経理の重要性については当セミナーで既にレポート(NO.9)済みですがコミュニケーション能力の違いで明暗を分けた例をご紹介します。
去る11月8日、上海市内にある当社と同業の日系ダイカストメーカー(上海O有限公司)が倒産した。
同社は1994年に上海に進出し当時は日系の競争相手が殆ど無く独占的に有利なビジネスを展開してきた。 ところが3年前に同社のオーナー(W氏)がそれまでの総経理を解雇し総経理に就任した。 W氏は2代目にありがちな人柄に加えて技術畑のせいか、とに角「話」が苦手(だから人の話しも聞く耳をもたない)、私も同業の関係で数度面談したことあるがただだまって座っているだけで自分から話そうとしないので何を考えているのか良く判らなかった。 そのW氏がO社の総経理になったと聞いた時、彼のコミュニケーション能力ではなかなか中国人に理解されない、理解されないから自分の意思どおり動いてもらえない。 「O社はいずれ立ち行かなくなるよ!」と社内で話していたのが現実となった。 事実、優秀な中国人は次々に退社していき、原料の納入業者からはO社への販売価格はリベートのため相当高いものとなっているとの噂が伝わってきていた。 倒産に至った具体的な内容はまだ聞いていないがW総経理のコミュニケーション能力にも問題があったであろうことは推測に難くない。
一方、友人の藤野産業鞄。野社長はコミュニケーション能力の見本のような人物。
話しは少し古くなるが1994年の頃、藤野氏が上海に出張、たまたまあるレストランで食事中に隣のテーブルで中国人が楽しそうに宴会していた。 まだその頃は日本人は珍しい時代で同じくビールを飲んでいた藤野さんは隣の席に向かって「乾杯!」と元気よく声をかけた。 それがきっかけで隣の席に仲間入りし「藤野さんは何のお仕事ですか?」 「日本でトラックのボディーを作っています」 「え! 丁度よかった。 我々もそのような会社を新しく作ろうと計画しています。 それでは少しお手伝いしていただけませんか?」と話が始まり翌年には合弁会社「上海浦藤箱車有限公司」が設立された。 藤野さんが総経理となり今日までこの会社は利益を計上しつつある。
後で判ったことだがレストランでの宴会の席で藤野さんが意気投合したのは上海公安局の当No.2の「えらいさん」(許 賠星氏)で以後長年に渡り藤野さんは多くの公安関係者の知己を得てビジネスに生かすこととなる。 しかしよい事ばかりは続かないもので2003年2月、日産自動車が京都工場の閉鎖を発表。 藤野さんの会社も売上の80%を日産に依存していただけに一気に苦境に立たされた。 日産京都工場の下請け協力会社33社の内実に32社が廃業または倒産。 唯一、当時破算同然だった藤野さんの会社が今年7月、9億円をかけて上海市金山区に新工場をオープンさせるなど中国での人脈を生かして益々元気に生き残っている。 この人脈を生かした藤野流ビジネスはNHKでも特集で報道されご存知の方も多いと思います。
藤野流コミュニケーションの極意は「誰にでもまず声をかける!」
簡単なことですが実行は大変難しいですよ!
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