多氣 史隆

 

中国ビジネス指南第三集

似ているから間違う中国ビジネスの側面

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2006年1月第三集スタート

 

「 中国ビジネスとコンサルタントの活用 」


Vol.51

バックナンバー

55.「対応を迫られる中国進出企業」(4) 人事・総務担当の重要性


54.「対応をせまられる中国進出企業」(3)工会の設立

53.「対応をせまられる中国進出企業」(2)


52.「対応をせまられる中国進出企業」(1)


51.「中国ビジネスとコンサルタントの活用」


50.「罰金の効用?」


49.「中国政府の外資優遇政策の終焉と政策」


48.「5年間を振り返って」


47.「中国での会社経営とコミュニケーション能力(4)」


46.「中国での会社経営とコミュニケーション能力(3)」


45.「中国での会社経営とコミュニケーション能力(2)」


44.「中国での会社経営とコミュニケーション能力(1)」


43.「暑い夏の3K工場の労務管理」


42.「中国人の一般的思考(2)仕事に対して」


41.「中国人の一般的思考(1)仕事に対して」

 
40.「中国会計と税金の基礎知識(2)」

39.「中国会計と税金の基礎知識(1)」


38.「中国工場労働者解雇始末記」

37.「中国人が自分のミスを認めようとしないのは何故?」

36.「コロコロ変わる法律」

第三集バックナンバー

第二集バックナンバー

第一集バックナンバー

 

筆者プロフィール

講師プロフィール


 

 私は講演のレジメに「中国ビジネス成功」のキーワードは“知っているか知らないか”と書いている。 中国ビジネスの一般慣習や法律に限らず人脈においても又しかり。 実際に会社を運営していく時、さまざまな出来事や問題にぶつかる。

知っていれば何でもないない事が“知らない”為に無駄な費用と時間がかかり「中国でのビジネスはもういやだ!」と嘆きたくなる。

3月に新工場が完成した。 エアーコンプレッサーの配管工事に当たり数社から見積を取り寄せたがいずれも10万元以上と予算をオーバーしている。 そこで社内の工程部課長は以前の職場で配管工事の経験があるので設計から工事まで全て社内で完成させた。 費用は約半分の6万元で済んだ。 ところが「総経理、大変です。 “上海市特別設備検測所”から配管工事をやり直せと言われています。 そうでないと使用許可書を発行してもらえないので工場は動かせません!」

この“特別設備検測所”とは工場のエレベーター、クレーン、機械の圧力計等の安全性を定期的に検査する政府の検査機関で使用許可証を発行する。 

 詳しく事情を聞いたところ、5kg以下の低圧配管工事は従来当局の許可を必要としなかったが昨年11月1日から法律が変わった。 低圧配管工事でも資格者が設計図を作成しこの検査機関の認可を得た上で資格業者による配管工事を義務づけられたとのこと。 

当方の関係者は全くこの法律の変更を知らず寝耳に水。  全ての工事が完了し引っ越しを間近に控えているだけに単に工事をやり直す費用の問題だけではなく客先への納品という時間がからんでくるので関係者全員が青くなった。

私「この許可証の決裁者は上海市か青浦区か?」 当社の設備関係者「金額が小さい工事なので多分青浦区当局で OK と思います」 「よかった! それではすぐにコンサルタントの荘さんに来るように頼んでくれ」

この荘さんは青浦出身で特に建設、消防、環境などの地元の各当局とのつきあいが深くこれまでにも数々の問題発生の際助けてもらっている。

早速荘さんに早急の解決を依頼した。 幸い一週間足らずで許可証をもらってきてくれた。

「本当に助かったよ! ところで“特別設備検測所”に荘さんの知り合いがいたの?」

「いくら地元でもそんなにうまくは居ないですよ。 調べてみるとたまたまその当局の責任者が以前に働いていた職場(役所)の元上司を知っていたのでその人から頼んでもらって許可証を出してもらった。」ということで一件落着した。 この解決に要した費用は食事一回の負担だけで新工場は予定通り4月1日から操業を開始した。 この工場は工事着工から操業開始までわずか7ヶ月という早業。 これも荘さんの関係当局への事前の根回しに負うところが大きい。

中国は徐々に変わりつつあるがまだまだ人治国家の側面が生き残っている。

“何が言われているか”よりも“誰が言ったか”の方が優先する。

中国でスムースな会社経営を行う上で“人脈や事情を知っている”状態を確保するためにも“当を得たコンサルタント”の起用をお勧めします。

ちなみに当社は荘さん以外にも税金関係では元税務局のトップを顧問に迎えている。

なお、コンサルタント選定の基準は上述の“知っている”という知識だけではなく、問題が発生したとき主体的に解決できる力と人脈を持っているかどうかが採用のポイント。  


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