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2001年3月、土地の購入に当たって、
本社社長「この敷地はちょっと広すぎるなあ! 本社工場(約2万m2)と同じだ。
もっと狭くても十分だよ。 他には無いの?」
政府誘致担当者「この工業団地では現在この敷地が一番小さいです」
「仕方ないなあ! アルミダイカストの工場には広すぎるなあ!」
「それじゃ、半分だけ買って残り半分は3年後決める購入オプションとされてはいかがですか?」ということでスタートし、3年後に残り半分を買い増しした。
最近、敷地一杯に建った建物を見て、本社社長「だから俺はもっと広い土地を買えと言っていただろう!」と。 よく言うよ! 物忘れもはなはだしい。 しかし考えてみると、いかに当初の見込みが中国ビジネスを見誤っていたかということで、7年前にもっと広い土地を買って置けばよかったと後悔している。 とにかく中国では「小さく生んで大きく育てる」という日本式神話は当を得ていない。 最初からドーンと大きく踏み出す大胆さが正解であった。 日系企業が技術、資金力で優位にたちながら台湾やローカル企業に中国ビジネスで遅れを取っている原因がここにある。
さて2001年10月に工場が完成したのを皮切りに、2004年第二期増設、2005年第三期増設工事と続き、いよいよ敷地が一杯になったので2006年新工場建設(第四期)と毎年のごとく建設工事を経験してきた。
今般、手狭になった現在の事務棟と各棟に散らばっている現場事務所を集約し効率化と工場作業場の拡大を狙って3階建ての事務棟の建設を計画した。これまで同様に当局(上海市企画局)に建築申請をしたところ4階建てでないと許可しないと言う。
「そんなバカな!」と詳しく聞いたところ、上海市の条令で今年から容積率(敷地に対する建物の延べ面積)が80%以上でないと新築工場は勿論増改築も許可されないこととなった。
ダイカスト工場は溶解炉を使うので構造上2階建は無理でどうしても容積率が上がらない。 かと言って道路や駐車場は不可欠。 結局、新事務棟を4階建てとし、現在の事務棟は取り壊し工場に建て替えることで何とか容積率を78%程度まで引き上げた。 (足りない2%は大目にみてもらうこととなった。)
建物が敷地一杯となり見た目も悪く全く“みどり”が無い。 緑化率規制(25%)は新事務棟の屋上を緑化するという苦肉の策で乗り切る予定。
2001年の進出当時、工場建設申請では上海市政府は「建蔽率(敷地に対する一階部分の建物面積)は40%以下でそれ以外は道路を含む緑地とすること」と公園のような工業団地を目標としていた。 それが中央政府の土地有効利用政策の一環で現在では建蔽率は60%以上で無いと許可おりない。
振り返ると今の法律は当時の工業団地の理想とは全く逆の方角に向かっている。このため上海では広い土地を買っておいて仕事の量に応じて工場を増築していく土地購入はもはや難しい。 すなわち以前のような試行錯誤のアンテナ工場は標準工場(貸し工場)に限定され、工場進出するなら台湾やローカル企業のような大胆な覚悟が必要となる。
最近の2年間で上海市の地価が約4倍に値上がりしたこととあわせ新たな工場進出は急減すると予想される。
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